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イソトレチノインと精神疾患の関係:最新の研究結果


イソトレチノインと精神疾患

イソトレチノインと精神疾患

イソトレチノインは、その強力な効果とともに精神疾患への影響について長年議論されてきました。特に、自殺やうつ病との関連性が懸念されています。しかし、最新のメタアナリシスの結果では、これまでの懸念を覆す可能性のある新たな知見が報告されています。本記事では、その研究内容と結果について詳しく解説します。


論文タイトル: Risk of Suicide and Psychiatric Disorders Among Isotretinoin Users: A Meta-Analysis

掲載誌: JAMA Dermatology (2024;160(1):54-62)

研究では、イソトレチノインの使用と精神疾患の関連性を明確にするため、以下の方法でデータを分析しました。


✅研究方法

  • PubMedEmbaseWeb of ScienceScopus から2023年1月24日までのデータを検索。

  • 無作為化試験および観察研究を対象とし、リスク評価を実施。

  • メタアナリシスを用いてデータを統合。


✅研究結果

このメタアナリシスには、合計 1,625,891人 を対象とした 25件の研究 が含まれました。そのうち 24件の研究がメタアナリシスの対象となっています。


✅ 主な結果

  • 参加者の平均年齢: 16〜38歳。

  • 1年後の自殺・自傷リスク: 0.5%未満。

  • 1年後のうつ病のリスク: 3.83%(95% CI, 2.45-5.93; I2 = 77%)。

  • 自殺未遂のリスク:

    • イソトレチノイン使用者は 治療開始後2〜4年で自殺未遂のリスクが低下

    • 例:3年後のリスク比(RR)= 0.86(95% CI, 0.77-0.95; I2 = 0%)。

  • 全体的な精神疾患リスク: 有意な増加なし(RR = 1.08; 95% CI, 0.99-1.19; I2 = 0%)。

  • 年齢とリスク: 高年齢の患者ほど うつ病のリスクが低い



結論と臨床への影響

この研究の結果、 イソトレチノインの使用は精神疾患や自殺リスクの増加と関連しない ことが示唆されました。むしろ、 治療開始2〜4年後に自殺未遂のリスクが低下する という意外な結果が得られました。

この結果は、イソトレチノインの使用を検討している患者や医師にとって重要な情報です。ただし、 精神疾患のリスクが完全にゼロになるわけではないため、治療中の患者の精神状態を注意深くモニタリングすることが推奨されます。特に、精神的なストレスを抱える患者に対しては、総合的な精神科的ケアと皮膚科的ケアを組み合わせたアプローチが望ましいでしょう。



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