
イソトレチノインと抗ヒスタミン薬の併用療法について
ニキビ治療の代表的な内服薬であるイソトレチノインは、高い治療効果を持つ一方で、副作用が懸念されることもあります。しかし、近年の研究によって、抗ヒスタミン薬を併用することでイソトレチノインの効果を向上させ、副作用を軽減できる可能性が示唆されています。
今回は、2014年に発表された論文 “Effect of antihistamine as an adjuvant treatment of isotretinoin in acne: a randomized, controlled comparative study” の内容をもとに、イソトレチノインと抗ヒスタミン薬の併用療法についてご紹介します。
研究概要
本研究は、中等度のニキビ患者40名を対象に、イソトレチノイン単独治療とイソトレチノイン+抗ヒスタミン薬(デザレックス)併用治療の効果と安全性を比較するために実施されました。参加者は以下の2群に分けられ、12週間にわたって評価されました。
イソトレチノイン単独治療群(20名)
イソトレチノイン+デザレックス併用治療群(20名)
治療効果は、治療開始時、2週目、4週目、8週目、12週目に評価されました。
研究結果
12週目時点で、イソトレチノイン+デザレックス併用群は、単独治療群と比較して有意に優れた結果を示しました。
非炎症性皮疹の減少率: 44.8% vs. 17.8%
炎症性皮疹の減少率: 55.8% vs. 22.9%
総病変数の減少率: 45.6% vs. 18.7%
皮脂量の減少: 併用群でより顕著
紅斑の減少: 併用群でより顕著
全体的なニキビ重症度スコアの改善: 併用群で有意に改善
また、治療中のニキビ悪化の頻度が低く、副作用の忍容性も向上していました。
考察と結論
この研究結果から、抗ヒスタミン薬(デザレックス)はイソトレチノインの副作用を軽減し、治療効果を向上させる可能性があることが分かりました。
抗ヒスタミン薬は、皮膚の赤みや炎症を抑える作用もあり、副作用の軽減につながると考えられます。
まとめ
イソトレチノインは強力なニキビ治療薬ですが、抗ヒスタミン薬を併用することで、より快適かつ効果的な治療が可能になる可能性があります。副作用を抑えつつ高い治療効果を得たい方は、医師と相談のうえ、抗ヒスタミン薬の併用を検討してみてはいかがでしょうか?
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